歴史から学ぶ大和魂

歴史を紐解き、日本人の大和魂が垣間見えるエピソードをご紹介いたします。

非理法権天と楠木正成

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江戸時代の『貞丈家訓』(伊勢貞丈)という文献には、「非理法権天」の言葉の解釈として、「無理は道理に劣位し、道理は法式に劣位し、法式は権威に劣位し、権威は天道に劣位する」と記述されています。つまり、「非」とは、道理の通らぬことを指し「理」とは、道徳的規範を指し、「法」とは、明文化された法令を指し、「権」とは、権力者の威光を指し、「天」とは、全てを超越した天の意思を指すとのことです。尊皇思想を強調する過程で、「天」は天皇であるとされ、天皇制が全てに勝るという思想に繋げられました。逸話によると楠木正成は「非理法権天」の菊水旗を掲げたと言われておりますが、江戸時代に作られた伝承であることが明らかとなっています。戦前は皇国史観が支配的であった社会では、国定教科書にもこの言葉が使われています。大東亜戦争末期の大和魂の話にことかかない菊水作戦では、神風特別攻撃隊戦艦大和による沖縄方面に対する特攻作戦で、大和の艦上に「非理法権天」の幟が掲げられたと言われております。

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