歴史から学ぶ大和魂

歴史を紐解き、日本人の大和魂が垣間見えるエピソードをご紹介いたします。

勤王商人、白石正一郎

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下関竹崎で荷受問屋を営み、清末藩御用達を勤めた白石正一郎です。
正一郎は、近世に港湾都市として栄えた下関において、大きな経済効果を生む諸国の廻船交易に参入できない新興商人でした。そのため、藩内外の交易相手に機敏に対応し、商利を求めて積極的に藩際交易(藩と藩の交易)を開拓することとなります。また、国学に傾倒し、自ら奇兵隊に参加するなど、尊王攘夷運動に身を投じていきました。正一郎が新規事業に失敗しながらも、「国家」のために経済活動・攘夷運動に奔走していたことを資料によって跡づけるものです。また、その過程から生まれた幅広い人脈を通じて、相互扶助に似た人間関係が構築されたことを認識していただければ幸いです。1855年には西郷隆盛が白石正一郎を訪ねて無二の親友になったと言います。そのような経緯もあり、1861年に小倉屋は薩摩藩の御用達となったのだが、この西郷隆盛を宿泊させたのが、志士への支援の始まりでした。一方で月照上人、平野国臣、真木保臣らとも親しく、以降は損得抜きで長州藩久坂玄瑞高杉晋作桂小五郎薩摩藩大久保利通小松帯刀筑前平野国臣久留米藩真木和泉らを資金面で援助しました。土佐藩を脱藩した坂本龍馬中岡慎太郎なども一時、白石邸に身を寄せ下関での拠点としています。